植物性ケイ素│一般社団法人クレディホールディングス

植物性ケイ素

ケイ素は、シリカやシリコンとも呼ばれており、元素記号Si、原子番号は14となっています。
そのケイ素は「鉱物性〈結晶質〉」、「珪藻類〈非晶質〉」、「植物性〈非晶質〉」の3種類に分類されています。

鉱物性 結晶質 水晶・石英・石・砂など鉱物に含まれる不溶性
珪藻類 非晶質 不等毛植物の死骸で不溶性
植物性 非晶質 動物や人、植物、藻類、トクサなどに含まれる水溶性 植物では特に穀物類の殻などに多く含まれる

ケイ素の有効性

ケイ素は、我々人間の健康にとどまらず、工業、農業、エネルギー、環境分野においても、大変大きな役割を果たす可能性があることが分かっています。特に環境分野では吸着の特徴を生かし、水質改善などに利用するところも出てきました。また、エネルギー分野では、太陽光発電の蓄電率がこれまでのものと比べ、効率の良いことも判明し、ケイ素を使用したことで、これまで進んでいなかった太陽光発電に関しても、一般家庭での設置も含め、急速に広がっています。

ケイ素と人との関係

ケイ素の必須栄養素としての役割や、ケイ素が必須栄養素である実証は、これまでに多くの非臨床試験(ネズミ・ウサギ・ニワトリなど)をはじめ、臨床試験(人間)でも明らかとなっています。
ケイ素は、酵素と共に生物界で最も多く存在する元素の一つです。
人の体内には約18gと非常に多くの保有量が検出されており、あらゆる臓器に含まれますが、特に骨、関節、血管、細胞壁、皮膚、毛髪、歯、爪、筋肉などに多く分布しています。
骨の成長維持にはケイ素が必要ですが、加齢と共にケイ素の含有量は減ってしまいます。
特にアテローム型の動脈硬化症の人の動脈では、ケイ素の含有量が激減していることが判明しています。これらは、血管組織を強くしている酵素にケイ素が深くかかわっていることを意味しています。
私たちの体からケイ素が不足すると、動脈硬化の促進、爪の割れ、皮膚のたるみ、脱毛、さらには癌に対する抵抗力の低下など様々な症状をきたします。
ケイ素を補給することは、結合組織中のコラーゲンを増強し、動脈硬化を防止し、抗癌力の強化にもつながります。
また最新の研究では、ケイ素が不足することで、脳を活性化させるセロトニンの分泌が減少して、心の病である『うつ』や『精神不安』が起こるとされています。

人ではアテローム型動脈硬化症は難治とされていますが、サルでは食餌強制で顕著に治癒することが実証されています。
現代の食生活では、精白穀類の主食「白米・精白パン・麺類など」や加工食品の利用が多くなったことから、ケイ素の摂取は非常に難しく、自然食品への復帰による完全栄養を期すことの重要性を示す多くの根拠が明らかにされ、ケイ素の確保もその一環となっています。

水素イオン(H+)の補足

水素イオンは、血中の酸素を著しく消費し体の細胞に必要な酸素を足りなくさせます。
ケイ素は、体内の水素イオン(H+)を補足する働きがあります。血中の酸である過剰水素イオンの排出がうまくいかないと、血液が酸性になり様々な病気を引き起こします。(代謝性アシドーシス)
相手に電子を与えることを還元と言いますが、ケイ素は水素イオンを補足、結合(還元)し血液の酸化を防いでくれます。

血液中の酸素の量が増加

ケイ素はコレステロールに作用して、血管壁の掃除もしてくれるので血液の循環もよくなります。さらに、赤血球に付着している水素イオンにもケイ素は作用するので、赤血球による酸素の運搬も活発になり、体全体の末梢血管に至るまで酸素を運ぶことで、細胞が活性化され健康になります。

電子の受け渡し

ケイ素は、半導体で一番外側の軌道を飛んでいる電子1個を放出したり、取り込んだりと奇妙な働きをします。例えば野菜から摂取する鉄分(Fe)は、電子を3個失った不安定なFe+++として体内に摂取されるためタンパク質と結合することができないので、赤血球になることが叶いません。ところが不安定なFeにケイ素が接近すると半導体の性質を発揮して電子を1個放出し、安定型のFe++にする働きがあります。安定したFe++は、タンパク質と結合して赤血球となり貧血の解消につながります。
Feに電子を1個渡してしまった珪素は、次に血管壁に沈着しているコレステロールの電子を引き抜きます。これによってコレステロールが乳化し血管壁を掃除してくれるので、血管は広がり(血圧を安定させ)、血液の循環が良くなって酸素欠乏を解消します。

水分代謝

更に水素イオンをつかまえた珪素は、腎臓で水分が再吸収されるのを防ぐ働きもするので、利尿効果が高まります。
水分代謝が良くなることで、むくみがとれ、腎炎や膀胱炎、肋膜炎を予防し、肝臓への負担を緩和します。

骨や歯、爪などを丈夫に

コラーゲンは、組織と組織を強力につなぎ合わせる働きをしますが、ケイ素はそのコラーゲンを束ねる作用があり、骨や歯、爪、髪の毛、腱(けん)などの強度を保つ働きをしています。したがって、体内のケイ素が不足すると、骨がもろくなって骨折しやすくなったり、爪の先が割れたり、抜け毛が多くなったりします。

ケイ素とミトコンドリア

いろいろとその効能が報告されているケイ素の役割の中で、生命の維持に欠かせないミトコンドリアの働きにケイ素が関係するということに着目します。
私たちの体には、約60兆個の細胞があり、個々の細胞には数百から数千という無数のミトコンドリアが共生しています。このミトコンドリアの働きなしに人間は生命活動が維持できません。それは、ミトコンドリアこそが、私たちが毎日食べている炭水化物や動物タンパク質、脂質などを分解し、アデノシン三リン酸(ATP)というエネルギーを細胞に供給しているからです。このATPというエネルギーなしに細胞は活動することができません。このように生命維持に重要な役割を果しているミトコンドリアの働きに欠かせないのがケイ素です。ケイ素の働きで、ミトコンドリアを活性化し、活性酸素が過剰になるのを防ぐことが出来ます。ケイ素が不足してミトコンドリアの働きが低下すると、正常細胞の安定性が失われ、低体温症や免疫力の低下、さらにガン細胞の死滅(アポトーシス)誘導作用などに重大な影響を及ぼすことが報告されています。ミトコンドリアの不活が及ぼすもっとも深刻な影響は、体内の活性酸素を大量に発生させる原因に繋がることです。

ケイ素はカルシウムより骨を強くする、米英共同の「フラミンガム研究」から解明

骨を強くするミネラルと言えば、誰しも思い浮かべるのがカルシウム。しかし、最新の研究で、ケイ素はカルシウム以上に骨を強くする可能性が高いことがわかった。
米国の代表的な疫学研究の一つに、「フラミンガム研究」と呼ばれるものがある。
1940年代からスタートした、長期間の地域コホート研究だ。地域コホート研究は、同一地域に住む人を対象にした追跡調査研究のこと。
食生活や血圧、血清脂質値などを調べた上で、長期間にわたり健康状態の変化を追跡調査している。
フラミンガム研究から、血圧や血清脂質値が高い人、肥満の人、たばこを吸う人は、心臓病で死ぬリスクが高いことがわかり、心臓病の診療を大きく進歩させた。 このフラミンガム研究に当初参加した人の子供を対象とした「フラミンガム子孫研究」(Framingham Offspring Study)も、1970年代からスタートしている。
今回、ケイ素摂取量と骨の強さ(骨密度:BMD)に密接な関係があることが明らかになったのは、この子孫研究のデータによる。 米国と英国の共同研究グループは、フラミンガム子孫研究の参加者2846人(30~87歳、男性1251人、女性1596人)の食生活を調査。 同時に、背骨(腰椎)や足の付け根の骨(大腿骨けい部)のBMDを測り、食事からのケイ素摂取量とBMDとの関連を調べた。 ケイ素摂取量を4グループに分けて比較すると、男性や閉経前の女性では、ケイ素摂取量が多いほど大腿骨頚部のBMDが高いことが判明した。最もケイ素摂取量が多いグループ(1日40mg以上)は、最も摂取量が少ないグループ(1日14mg未満)より、BMDが10%近く高いことが明らかになった。
ちなみに、カルシウム摂取による同様の研究では、摂取量が最も多いグループと最も少ないグループのBMDの差はたかだか5%だった。
「食事からのケイ素摂取量の差がBMDに及ぼす影響は、カルシウムよりも大きい」と研究グループはみている。
ケイ素はこれまで、人の健康に対する影響がはっきりとはわかっていなかった。ケイ素を含まない食事で育てたマウスは、骨の生育が不十分とのデータがあり、おそらく骨の健康維持に大切なミネラルだろうと考えられていたが、人を対象にした大規模な疫学研究で密接な関係が示されたのは初めて。
これまで人への作用に対するデータがなかったこともあり、今のところケイ素の栄養所要量は定められていない。
しかし今回、“カルシウム以上に効く”とのデータが発表されたことで、状況ががらりと変わる可能性が出てきた。
ケイ素はほかのミネラルと同様に、食品から摂取しても体内に吸収されにくいことがわかっている。 例えば、バナナはケイ素が豊富な食品の一つだが、食べても含まれるケイ素の5%程度しか体内に取り込まれない。 ただし、ケイ素の吸収率は食品の種類や加工法によって大きく変わる。
ケイ素は穀物の皮や殻にも多く含まれているが、全粒粉から作ったシリアルや、大麦を皮ごと使って作るビールの場合、含まれるケイ素の4~8割と高い割合で吸収される。

この様にケイ素は、生命維持に不可欠な必須微量元素ですが、成人1人あたりの消耗は、10~40mgと言われています。若いときには、私たちの体の組織はケイ素を摂取する力があり、ぐんぐん摂取し続けます。このため、柔軟性や弾力性に富み、つややかな肌に覆われ、硬い骨を持ち、エネルギーに満ち溢れています。
しかし、年を重ねるごとに私たちの体は、ケイ素を摂取する力が落ちていき、30代ごろから体内のケイ素含有量は急激に減少し続けてしまいます。

このように、私たち人間の成長と健康維持、老いや心の状態に至るまで、広い範囲でケイ素はかかわっています。
多くの研究者によってはっきりと言えることは、

ケイ素は私たちにとってとても重要な必須ミネラルでありながら
体内では作られず、食事による吸収もし難い栄養成分であるということ

とは言え人は、何らかの方法でケイ素を補給し続けなければいけません。
そのもっとも有効な方法としてサプリメントなどの健康食品による摂取があげられる。

ケイ素の体内動態試験結果

ケイ素の補給から体外への排出については、すでに体内動態試験によって明らかとなっている。
摂取されたケイ素は、腸によって吸収され、約120分で血清内のケイ素濃度が上昇することが確認されています。そして生体内で重要な役割を果たしたケイ素は、3時間から9時間かけて尿中から排出されます。この時、過剰に摂取されたケイ素や吸収に至らなかったケイ素も排出されます。
したがって、たとえ必要以上のケイ素量を摂取した場合でも、人体に影響がなく安心して補給ができることが分かっています。

正しい選択という責任

そこで私たちは、ケイ素を最も安全で効率的に摂取できる原料について調査を行った。
ケイ素の結晶には、石英、クリストバライト、トリジマイト、等があります。籾殻中のシリカは非晶質ですが、籾殻を1500℃以上の温度で燃焼させると、非晶質ケイ素はクリストバライトに結晶化してしまいます。
結晶質珪素である石英(水晶)、クリストバライト、トリジマイトは国際化学物質安全性カード(ICSC番号: 0808, 0809, 0807)によると、それらの粉体はカテゴリー1の発がん性物質となっています。
※世界保健機構(WHO)及び国際がん研究機構発表による
しかし非晶質ケイ素は、石英、クリストバライト、トリジマイトなどの結晶性シリカとは異なり、発がん物質との報告はありません。籾殻シリカを安全に使用するためには、非晶質の状態で使用しなければなりません。当研究チームでは、非晶質ケイ素を含む植物を1500℃以上燃焼するとクリストバライトに結晶化することを確認すると同時に、1400℃までは安全な非晶質ケイ素として取り出す方法を合わせて見いだしました。これにより、1400℃までの籾殻の燃焼、ガス化によるエネルギーの回収が可能になり、得られる燃焼灰、ガス化残渣は安全な非晶質ケイ素として回収でき、利用できる事が可能になりました。

この段階で結晶質(鉱物性)ケイ素を除外することとし、非晶質である珪藻土由来のケイ素と、もみ殻由来の植物性ケイ素との比較を行うこととした。

これには30年以上もの期間を費やし、もみ殻由来のケイ素の研究を行い続けている専門家らの研究チームの協力のもと、ケイ素の摂取工程及びコストについて、摂取できる珪素濃度などいくつかの課題掲げ行った。

ケイ素の食品としての安全性

非晶質ケイ素に分類される植物性、珪藻土共に日本の厚生労働省においてもその安全性が認められています。

植物性(もみ殻由来)ケイ素と珪藻土に含まれるケイ素の特性比較

結果、もみ殻由来のケイ素と珪藻土に含まれるケイ素とでは、大きく3つの違いがあることが分かった。

  • どちらも多孔質構造だが、もみ殻の方が粒子サイズが細かく、溶液化しやすい。
  • どちらも資源は豊富だが、もみ殻の方が環境維持及び改善に貢献できる。
  • もみ殻由来のケイ素の方が、栄養成分の種類、量ともに多く含まれていた。

お米は、私たち人間と長きに渡ってなじみがあり、イメージも良いことから、植物(もみ殻)由来のケイ素を使用した健康と美容をテーマとした製品化を行うこととした。

イネがケイ素を吸収するカニズムと安全性

イネの根は土中のVA菌根菌とが共生しており、そのVA菌根菌とイネが持つ溶解成分(クエン酸)との融合作用により、土中のケイ素は溶解・解毒され、茎や葉、もみ殻へと吸収されます。
この働きにより、私たち人間と親和性が高く、安全な植物性ケイ素となります。